母の介護を終えて思うこと

母が認知症になり、近所のデイケアに通いながら5年間を家で過ごしました。姉と妹と私が母と同居していたので、3人で力を合わせて介護しながら過ごしていました。

具体的にはこんな風に分担していました。

●姉と妹はフルタイムの仕事なので昼間は家に居ません。私は午後からの仕事や家でする仕事が多かったので、デイケアの見送り、出迎え、デイケアが休みの日の世話など、昼間の介助全般を行っていました。

●月1回の内科通いと美容院(1000円カット)は、妹が土曜日に母を車イスに乗せ連れて行ってくれました。母の髪の毛も家で染めていました。

●一番早く家を出る姉が朝の味噌汁を作り、母の朝の身支度や食事などを手伝っていました。

●そして、夕食後にお風呂の介助をして、パジャマに着替え、ドライヤーで髪を乾かしながら母は化粧水を付け、トイレの介助をしてベッドに入るまでのお世話は3人で曜日を決めて交代で行っていました。

そんな風に5年間は3人で協力し、母と一緒に楽しく暮らしていました。

ところが、91歳になった頃から体も弱ってきて、家の風呂で湯船から出ることが困難になり、デイケアで入浴するようになりました。そして、帯状疱疹にかかり、その薬の副作用で意識障害を起こし入院してからは、あっという間に寝たきりになってしまい、生活は一変してしまったのです。

●意識障害は回復しましたが尿路感染症を患い、1ヶ月にもわたる入院で褥瘡(床ずれ)ができてしまいました。
●リハビリテーション病院に転院しましたが扱いが酷いので、母を家に連れて帰りました。
●急遽準備して自宅介護を始めましたが1週間で発熱し救急搬送しました。
●尿路感染症がなかなか良くならず3週間も入院し、
●退院後の受け入れ先を探しましたが、最終的には病院が紹介してくれた民間の看護付き介護施設に入所しました。

本当に大変だったのはその4ヶ月半の日々でした。
初めての事ばかりで、熟慮する間もなく、言われるままに、めまぐるしく日々は過ぎていきました。今にして思えば、それはとても貴重な経験だったと思います。

私たちは育ててくれた母への感謝の気持ちで介護していましたが、介護を通してまた多くの事を学ぶこととなりました。最後まで多くのことを教えてくれたのだと思います。

私の場合は5年と数か月でしたが、介護は何年も、何十年も続くこともあり、家族の負担が大きくなることが多いものです。

特に初めての介護の場合、何から何まで家族が背負ってしまいがちです。どんな支援をしてもらえるか分からずギリギリまで頑張ってしまうのです。

介護は先が見えず長期戦になることもあるので、無理せずケアマネ―ジャーさんに相談してください。親身になって相談にのってくれます。

週に数日デイケアに通ったり、定期的にショートステイを利用することで、介護家族の負担を軽減することもできます。

いま、介護の体制は整っています。
自分だけで背負うのではなく、介護スタッフの方の助けも借りてください。
私もたくさんの人たちに、介護制度にも助けられました。

まず、ケアマネージャーさんに相談することから始めてください。きっと道は開けると思います。介護する人も、介護される人も、心地よく過ごせることを心から願っています。

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