認知症の方への対応

母が認知症になってから、日々の出来事の中で対応に困ることが多々ありました。

最初は「認知症」への理解がなく普通に対応していましたが、後になるとこうすれば良かったと思うことばかりです。そこで、認知症の方への対応で大切なポイントを挙げます。

<役割を大切にする>

本人は何ができるかを考え、できることをお願いすることが大切です。そうすれば自分も役に立っているという実感が持て自信にも繋がります。

そして、感謝の気持ちを伝えることも大切です。できたことを感謝して褒めることでお互いの信頼感を深めることができます。

母は家事で唯一朝の味噌汁作りを担っていた頃、「私は朝の味噌汁を作っています」とよく人に話していました。役に立っている自信からだと思います。

なんでもやってあげるのではなく、できることを探してやってもらう事が大切だと実感しました。

<プライドを傷つけない接し方>

できなかった時には、「叱らない」「指摘しない」「否定しない」ことが大切だと言います。毎日のことで何度言ってもできないと、つい苛立って怒ってしまいますが、そうするとかえって反感を買い逆効果です。

できるだけ本人の気持ちを受け止め汲み取るように心掛け、ゆっくり、穏やかに話しかけることが効果的だと言います。

対応の基準としては、「母が笑顔になる」ことを基準に対応すれば良かったと後になって思います。

<家の中に「貼り紙」を貼る>

認知症の症状が進むと、自分の家であることがわからなくなります。

そこで、家中に貼り紙をしました。
母の部屋の入り口には、「〇〇の家」「〇〇の部屋」、トイレのドアには「トイレ」、母の部屋からトイレの途中には「トイレ→」と道案内の貼り紙を。

そして、何回言っても忘れてしまうので、よくメモとイラストを書いて残していました。

「お昼になったらこのパンとスープを飲んでください。」
「寒いのでこたつをつけてください。目盛りは3がいいよ!」
「買い物に出かけてきます。」

結局その貼り紙やメモは、母から見て効果的だったかどうかはわかりませんが、不安を拭えたら良かったと思います。

<「家に帰る」と言った時>

母は「家に帰る」とよく言っていました。そんな時、ここが家だと説明して済ませていましたが、また少しすると「家に帰る」と言います。

認知症の症状に「徘徊」がありますが、それはきっと家に帰ろうと外に出て歩き回り、わからなくなってしまうのではないかと、母を見て思いました。

母は足が悪いので徘徊することはありませんが、ある日の早朝、家族はまだ寝ていた時、母はパジャマ姿の上からショルダーバッグをはす掛けにして家の外に出たようです。ちょうど掃き掃除をしていた近所の方が見つけ、母と話して家に戻ったことを 後になってその方が教えてくれました。

「家に帰りたい」と言った時は、どんな対応をしたら良いのでしょう。

●一緒に出かけて近所を一周して帰ってくる
●「お茶でもして帰りましょう」とやさしく言って気をそらす

母が介護施設に入所中「家に帰りたい」と言ったとき、「15分も歩いてからバスに乗りその後電車に乗って、帰るのは大変だから・・・」と言ってしまいました。あの時「一緒に帰ろう」と車イスで外に出て散歩すれば良かったと後になって思いました。

私の経験が、認知症の方を介護している方の参考になれば幸いです。

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